説教者:レオ・オルディアレス牧師
第二テモテ2:1〜10
ですから、私の子よ、キリスト・イエスにある恵みによって強くなりなさい。多くの証人たちの前で私から聞いたことを、ほかの人にも教える力のある信頼できる人たちに委ねなさい。キリスト・イエスの立派な兵士として、私と苦しみをともにしてください。兵役についている人はだれも、日常生活のことに煩わされることはありません。ただ、兵を募った人を喜ばせようとします。また、競技をする人も、規定にしたがって競技をしなければ栄冠を得ることはできません。労苦している農夫こそ、最初に収穫の分け前にあずかるべきです。私が言っていることをよく考えなさい。主はすべてのことについて、理解する力をあなたに与えてくださいます。イエス・キリストのことを心に留めていなさい。私が伝える福音によれば、この方は、ダビデの子孫として生まれ、死者の中からよみがえった方です。この福音のために私は苦しみを受け、犯罪者のようにつながれています。しかし、神のことばはつながれていません。ですから私はすべてのことを、選ばれた人たちのために耐え忍びます。彼らもまた、キリスト・イエスにある救いを、永遠の栄光とともに受けるようになるためです。
今日みことばを取り次いでくださるのは、レオ・オルディアレス牧師です。フィリピンのマニラ郊外にある町の教会の牧師です。「ブリーチ(PReach)」という宣教団体の議長でもあります。彼の教会は十日ほど前CRECに加盟し、アメリカの地区会からフィリピンに戻る途中で日本に立ち寄ってくださいました。
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みなさんこんにちは、私はフィリピンから来ましたレオ・オルディアレス牧師です。今日みなさんとここにいるのは特権です。そしてみことばから語ることができるのも特権です。そのことを神様に感謝します。
今日の箇所はパウロがテモテに与えてくださったたくさんの教えの中の一つです。今日はその中のいくつかに注目します。
第一、第二テモテは、パウロがテモテに宛てて書いた手紙です。パウロは最初の伝道旅行でテモテに出会い、二回目はテモテと一緒に旅をしました。ルカによるとパウロはテモテとともにエペソに三年間とどまり、その後テモテをエペソの牧師としてそこに残して自分は去りました。エペソの教会は問題が多い教会で、偽りの教師も何人もいました。想像してみてください。この若いテモテが初めての牧会をパウロなしでやらなければならないのです。エペソは大きな町だったのでいろいろな難しさや困難なことがあったと思います。少し個人的な視点から考えてみましょう。
キリスト教会の牧会とは困難なものです。ラルフ・スミス牧師からもいろいろ聞けると思いますが、一人で働くともっと大変です。難しい場所で牧会するのは力が必要です。場合によっては私たちの能力を超える力が必要です。
今日の箇所の前後でパウロはテモテに言葉をかけています。パウロはテモテのメンターとして励ましていました。パウロがテモテに話した一つの中心的な言葉は「強くなりなさい。」でした。これは私たちに対する教えでもあります。私たちが神に仕える者としてどのように強くなることができるでしょうか。神の子として、特に日本では福音を伝えることが難しいと聞きます。そんな日本で私たちはどのように強くなることができるでしょう。
そのために覚えてほしいことが二つあります。一つは恵みによって強くなること。もう一つはイエス・キリストを心に留めることです。
⚫恵みによって強くなりなさい。️
【第二テモテ2:1】ですから、私の子よ、キリスト・イエスにある恵みによって強くなりなさい。
「恵みによって強くなりなさい」はセットで出て来ることばです。私たちが強くなるために神の恵みが必要だからです。この後パウロはその恵みについて話します。私たちが強くなるために私たちを支えてくれる恵みです。
【第二テモテ2:2】多くの証人たちの前で私から聞いたことを、ほかの人にも教える力のある信頼できる人たちに委ねなさい。
私たちは一人では神に仕えることはできません。それを理解しなければならないし、なるべく多くの人たちがその働きに携わるように働きかけなければなりません。私たちはみんな神から恵みを受けているからです。
【エペソ4:7】しかし、私たちは一人ひとり、キリストの賜物の量りにしたがって恵みを与えられました。
この恵みは神の民すべてに与えられていることを覚えなければなりません。
一昨日、この教会の婦人たちがバザーの準備のために働いている姿を見ました。彼女たちは神のために働いていました。神の恵みによって素晴らしいものを見せていただきました。
昨日の夜はこの教会の長老や執事たちに会いました。彼らとの交わりが私の心を暖かくしてくれました。
兄弟姉妹たち、周りを見てください。あなたたちこそ恵みとして神が用いる方々です。あなたたちはお互いの力の源です。みことばが一人一人のうちに働く時、神は御心を行います。私たちは強くなります。一致を通して力をもつことができます。
もう一つ、恵みについて気づいてほしいことがあります。私たちが苦しむとき、そこに神の恵みがないと思ってしまうことがあります。
【第二テモテ2:】キリスト・イエスの立派な兵士として、私と苦しみをともにしてください。兵役についている人はだれも、日常生活のことに煩わされることはありません。ただ、兵を募った人を喜ばせようとします。また、競技をする人も、規定にしたがって競技をしなければ栄冠を得ることはできません。労苦している農夫こそ、最初に収穫の分け前にあずかるべきです。
パウロが難しい働きを描写するとき、兵士、アスリート、農夫の話をします。
ウクライナでの戦争をイメージしてください。軍人でいるのは難しいことです。
アスリートでいることも簡単ではありません。ウサイン・ボルトが四年間トレーニングしたのは自分のタイムを1分短くするためでした。
農業に携わる人たちが何のために畑を耕すのかを知らずに続けるのは苦しいことです。
軍人の喜びは司令官を喜ばせることにあります。私たちはキリストの兵士です。それなら私たちはだれを喜ばせるべきですか。どんなに苦しいことがあっても、大変なことがあったとしても、主を喜ばせたと知ることは祝福です。
アスリートははルールを守ります。私たちもこの世で走る者としてみことばというルールをもっています
農夫の働きは大変ですが私たちは収穫に目を留めます。それが私たちに喜びを与えてくださいます。だからそこに目を留めましょう。苦しんだ結果、神により頼むことなるならそれは恵みです。しかし神のみこころに逆らって楽な人生を送っているなら、そこには何の意味もありません。だから苦しむことは場合によっては良いことなのです。
【第二コリント12:9】しかし主は、「わたしの恵みはあなたに十分である。わたしの力は弱さのうちに完全に現れるからである」と言われました。ですから私は、キリストの力が私をおおうために、むしろ大いに喜んで自分の弱さを誇りましょう。
もう一つ、私たちが強くなるために与えられる恵みはメンターからくる恵みです。
【第二テモテ2:7】私が言っていることをよく考えなさい。主はすべてのことについて、理解する力をあなたに与えてくださいます。
信仰の先輩がいることは恵みです。兄弟姉妹たち、あなたがたが強くなるためには神の恵みに頼る必要があるのです。
⚫イエス・キリストのことを心に留めていなさい。️
【第二テモテ2:8〜9】イエス・キリストのことを心に留めていなさい。私が伝える福音によれば、この方は、ダビデの子孫として生まれ、死者の中からよみがえった方です。この福音のために私は苦しみを受け、犯罪者のようにつながれています。しかし、神のことばはつながれていません。
CECの好きなところの一つは毎週の聖餐式を強調していることです。これは福音の大切さを思い出させます。私たちがイエス・キリストの血によって救い出されたことに戻ることができます。私たちが難しい状況に直面したとき、何が大切なのかを忘れがちです。しかし、CRECで私たちは月に一回とか年に一回ではなく、毎週神の恵みを思い出すことができます。皆さんに気づいてほしいのは、イエスが死者の中からよみがえったダビデの子孫であることです。イエスが私たちのために死んでくださったことと、私たちがすでに贖われていることも分かっています。この二つのことは私たちに勝利を得る生き方を与えてくれます。私たちには復活した主がいます。イエスは死に対して勝利しました。死はイエスによって飲み込まれました。だから私たちは勝利に満ちた生活を送ることができるのです。私たちの救い主は生きています。イエスをよみがえらせた力は私たちの内にもあります。私たちが難しい状況に直面していても、私たちが向かっている先は勝利です。
もう一つ私たちが覚えなければならないのは、イエスがダビデの子孫であるということです。イエスは最初は苦しむしもべとして受肉しました。しかし再び来る時にはもはや苦しむしもべとして戻っては来ません。支配する王として現れます。私たちはみんなその王国の国民です。イエスの王国は今すでにあり、これから来るものでもあります。イエスは天で神の右の座にすわり、地を足台にしています。私たちはこの地上での戦いに挑んでいてまだ天国にはいませんが、王とともに行くことを確信しています。私たちが今どんな経験をしているとしても、私たちには希望に満ちた勝利の未来があります。それがイエス・キリストです。
今日の箇所でパウロが私たちに教えてくれているのは、私たちが力を得るために神の恵みに頼ること、そしてもう一つは私たちに復活して勝利したイエスが与えられているということです。
みなさんの心の中では実際に何が見えますか。パウロはこのことばでこの箇所を締めくくります。
この福音のために私は苦しみを受け、犯罪者のようにつながれています。しかし、神のことばはつながれていません。ですから私はすべてのことを、選ばれた人たちのために耐え忍びます。彼らもまた、キリスト・イエスにある救いを、永遠の栄光とともに受けるようになるためです。(第二テモテ2:9~10)
兄弟姉妹たち、私たちは神の恵みによって強くなりましょう。私たちは勝つために選ばれたチームです。私たちには栄光に満ちた終わりが待っています。だから今は耐え忍びます。耐え忍ぶのはたましいの救いのためです。日本はフィリピンと同じように神のご計画の一部です。私たちは日本で福音を伝えるために働き続けなければなりません。アーメン
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